テレビの天気予報で、来週末に梅雨入りするらしいとニュース。
うわーとリビングにいたみんなで叫ぶ。
梅雨がきたら、次はいよいよ夏だねえ。
ずっしりと重い新品のミシンを机に置いてみた。
新しいことを始めるのは、楽しい。
まずは型紙を模造紙に書き写すところからスタートだ。安い布で試し縫いして、サイズを確認してから本番に行こうと思う。
腕が上がったら、ゲームマーケット用にオリジナルの衣装を作って売り子がしたいな。
はやくゲームマーケットでみんなに会いたいな。
本にお茶をこぼしちゃったお詫び、と言って、ハウスメイトその3さんが、和紙でできた文庫用のブックカバーをくれた。紙和というブランドのものだ。むっちゃくちゃ手触りがいい。柔らかくふわふわでなめらかで、本の読み心地が変わる。いま読んでいる『霧のむこうに住みたい』を、私はこの感触とセットで思い出すだろう。
イタリア文学である『デカメロン』きっかけでこの集団日記の企画ははじまった。終わろうとするこのときに、イタリアについて書かれた須賀敦子の随筆を読んでいるというのも、偶然とはいえ面白い。せっかくだから印象に残った一節を引用して、この日記を終えてみる。
〈「時間」、とあのころ言葉の意味を深く考えることもなしに呼んでいたものが「記憶」と変換可能かもしれないとまでは、まだ考えついていなかった。思考、あるいは五官が感じていたことを、「線路に沿って」ひとまとめの文章につくりあげるまでには、地道な手習いが必要なことも、暗闇をいくつも通りぬけ、記憶の原石を絶望的なほどくりかえし磨きあげることで、燦々と光を放つものに仕立てあげなければならないことも、まだわからないで、わたしはあせってばかりいた。〉
(京都府 与儀明子)
村上春樹の「POPEYE」連載のTシャツにまつわるエッセイ『村上T 』(マガジンハウス刊)。100枚くらいあるTシャツをこれから整理しようと思ってて、とっておく(あるいは処分する)基準の参考にしようと読んでみた。「こんな世界的作家も無駄なTシャツたくさん持ってるんだから、私だって持ってたっていいじゃない」という気分になるだけだった(どんな論理だよ)。
片付け自体はだいぶ終わりに近づいてきて、達成感とスッキリ感が出てくる。
(東京都 むたむた)
病院の帰りにパン屋で早めのランチを食べようと張り切っていたけど満席。席数を半分ほどに抑えてあった。久々の外食はお預けとなる。
八百屋の店先でタラのフライ、げんこつ2つ分ほどのやつ500円を奮発して買う。
血糖値はだいぶ下がっていたし、たまのチートデイだ。糖質制限はまだつづく。
家に帰ってパンとサラダ、フライを食べて、すこし昼寝する。
夕方、隣のアパートの人がまた大声で歌っている。以前はアフリカの民謡のような、モンゴルのホーミーのようなエキゾチックな雰囲気だった。声というより音という感じで、うるさいが気にしなければ気にならない。でもここ1か月、とくに頻繁になっているここ数日は、声に自意識が混じっていると感じる。
急に暗くなって雷。稲光で窓が青く煌めく。歩いて30分ほどのライブハウスで知人のライブがあったがあきらめる。また行ける機会がきっとあるだろう。
(おまけの6/7日)
先々週まいた種がいくつか発芽して一日何度も観察している。きゅうりの双葉が大きくなったのでプランターに植え替えた。ついでに鉢植えのバジルもプランターに移す。
Amazonプライムで「SUNNY 強い気持ち・強い愛」を観る。こんなストーリーだったのか。天井の高い映画館でいろんなことを思い出しながら観たかった。
もう一度観ようかと思ったが今日はやめて、14時からテレビで「愛しているといってくれ」を見る。トヨエツの手話は複雑になって全然読み取れない。
2駅先に住んでいる友人が、明日引っ越しだとFacebookに書いていた。荷造りが大変そうなので差し入れに行くことにした。サンドイッチとおかずを簡単に作り、空きビンに梅ジュースと氷をつめる。
大家さんに借りた水色の自転車で住宅街を斜めに下って行く。自転車に乗るのは3年ぶりくらいだ。
小柄な友人の代わりに天井の金具をいくつか外したくらいで大した手伝いもせず、庭のドクダミを摘ませてもらう。頬に風が当たるのが久しぶりで楽しい。遠回りして大通りを帰った。
(東京都 宮下由布)
今日が集団日記最後だそうだ。書くのをサボっていたら8日になってしまったが、今日の事件の方が重要なので、8日のことを書くのだ。
猫ストリートに行って、入ってすぐの製造業の玄関を見た。ここには、人懐こい猫が良くいるんだけど、最近構おうとすると、なぜか置いてある自転車の方に体を擦りつけて遊んでくれない。いたいた。
そして、道の反対側を見ると、家の中、網戸になった窓辺に猫がいた。
うん???
製造業の玄関にいるのに、人懐こい猫が家の中にいる。つまり…、別猫だったのか!
俺が人懐こいと思っていたのが、今、家の中にいる猫。製造業の玄関にいる自転車が好きな猫は別猫…。
はー、ビックリした。2匹の猫はなんで間違えていたんだろうってくらい似てなかった。
猫ストリートの反対側には耳を怪我した猫を飼っている家がある。そこがもう一匹猫を飼っていて、あまり見ないなーと思っていたんだけど、それも間違いだった。その猫は自転車猫と同一で、飼っているのは製造業だ。
つまり、こういうこと。
<図解> 点線はたまの移動。
はー、なんてことだ。
集団日記は終わりだ!
(東京都 ワサビ太郎)
塚原はガールズバーに行った。東京アラートなんのそのである。
営業を再開したらしいことは風のうわさで聞いていた。当面は自粛営業らしく、予約客のみの対応であるとのことだったので、唯一LINEを知っている女性に連絡をした。行けます!との返事であった。
自粛期間についての話をいくらかしながら、塚原はいまいち気分が乗りきれなかった。理由はわからない。自宅でアイドルDVDを見ながら一人で飲んだほうがいいような気もした。お金もかからない。
それでも二時間ほど飲んで帰ると、タヌキ商店が閉まっており、そこで塚原はカブを売り忘れたことに気付いたのである。
(東京都 塚原業務)
今日はお休み。でも、かなり早い時間にお腹が空いて寝てられなくなる。朝ごはん食べてまた布団へ。「13月のゆうれい」再読。1回目はストーリーを追ってざくざく読んだので、今度は細かいところまでじっくり。友達同士、姉弟同士の会話の言葉に嘘っぽさがなくていい。それぞれの人物の口からほんとに出てる言葉だなあと。
アスパラごはん炊いて、鶏モモ肉焼いて晩ごはん。また早々に布団へ。
ところが、夜中2:00頃にチャイムが。どうせ誰かの間違いだろうと思っていたら、警察がまわってきてた。とある通報のために話聞くために全戸回っていると。やめてくれよーーー。平和に暮らさせてくれい。
結局その後朝まで眠れず。
(北海道 わたなべひろみ)
南町田グランベリーパークに買い物に行った妻によると、激しい混雑ぶりだったらしい。4月か5月に散歩で寄った時は、ほぼ全店舗がおやすみで換算としていたのだが。在宅勤務継続中の身からすると「大丈夫かな?」と思うのだが、「もとに戻った」というのが一般的な感覚なのだろうか。
近所の書店もひさびさに営業再開したようなのでまた行ってみたいが、今日は雨が降りそうな天気予報だったので、家でのんびり過ごす。
そういえばこの日記も今日まで。読み返すとだんだん行数が減っていて、自分のものごとを続ける能力というものを改めて考えてしまう。
与儀さんも約2ヶ月のあいだおつかれさまでした!
(神奈川県 ちゃかぽこ)
2020年06月06日。昼は天気で夜は雨。雷も鳴る。夢を2本みた。本の雑誌増刊号の夢が面白かった。単行本3冊分くらいの厚さがあり、中に単二電池4本と単三電池2本が仕込んである。どんな面白い仕掛けがしてあったのであろう。原稿の前に「あつまれどうぶつの森」を遊ぶ。林業が中心で、個人営業の製造業も営む。毎日「かたいもくざい」が積み重なり、たいへんな量になっていたのだが、今日は高額買取商品に「まるたのソファ」があり、ただひたすら生産にいそしんだ。そのあとで、ほんとの仕事。原稿に手を入れる。夜にはYouTubeで神田伯山主催の「第2回オンライン釈場」を観る。4人の講談師が登場し、4本の講談を披露。面白かった。結局のところ、家の中でゲームをしたり、原稿を書いたり、演芸を観たりしている。コロナ生活が開けても(開けてないけど)私の生活はあまり変わりそうにない。「集団日記」は今日でおしまい。約2ヶ月間、楽しかった。
(東京都 深川岳志)
20/06/06(Sat)Lifelog
◆就寝 26:35◆起床 09:08
◆前日歩数 6194歩
◆体重 85.4kg (+1.0)◆体脂肪率 26.0%
◆タロット 正「女教皇」副「恋人」
◆朝食 09:46 @自宅
トースト(肉じゃが、チーズ)、果物(りんご、オレンジ)、ヨーグルト(ブルーベリー)、コーヒー
◆昼食 12:35 @自宅
冷やしたぬき、おにぎり(ネギ味噌)、ナスと挽肉のあんかけ、緑苔
◆夕食 18:41 @自宅
かき揚げ丼、味噌汁(えのき、豆腐)、焼き魚(鮭)、野菜サラダ(プチトマト、せんキャベツ)、麦茶
◆ティータイム 13:53 @自宅
白桃煎茶《LUPICIA》、あんずっしりどら焼き《ヤマザキ》
◆オンラインセッション
1.K社ゲーム部Online 14:00〜18:00
@BGA
・Teotihuacan:City of Gods
2.桔梗屋Online#12 20:00〜23:00
@BGA
・6 nimmt!
・Celestia
◆雑記
「集団日記」最終回ということですが、Lifelog記載自体は自分自身、日次レビューにも役立ちそうなんで、今後自分のnoteで続けていきます。今回、この企画に呼んで下さいました与儀さんと、共にウィズコロナの日々を過ごし、書き残して下さった皆様に感謝致します。ありがとうございました。
(神奈川県 桔梗屋)
集団日記終了にあたり最後のあいさつをさせてください。
緊急事態宣言が解除されたあと、北九州では第二波、東京でも感染者が少しずつ増え始め「東京アラート」なるものも発動されてしまいました。
やっぱり今後しばらく、僕たちの生活はコロナとともにあることを忘れないほうがよさそうです。
感染に気をつけながら、それぞれの日常をたて直していくみたいなスタンスでしょうか。
そういう生活も100パーセント悪いものでもないと思います。
もちろん感染したり、自粛のために生活が行き詰まったりしなければの話ですが。
平穏に過ぎる1日に感謝しつつ日々を送れれば、この暮らしもそうひどくはない。
ほんとうは今回の事態がなくても平凡な毎日の大切さに気付ければよかったのでしょうが、なにぶん自分も煩悩の多い人間ですので。
コロナによる自粛生活がなければ相変わらずダラダラとその日その日を過ごしてしまい、そんな毎日に不平不満を並べたてていたでしょう。
まちがいなく今回の事態は自分の人生にとってひとつの句読点になったと思います。東日本大震災のときもたしかそんなふうに思ったのですが、あわただしい日々に流され、またもとに戻ってしまいました。
今回は全世界レベルの問題ですからねー、根本から自分の生き方が変わりそうな気がします。
二か月のあいだわたくしのどうでもいい日常をご覧いただいた皆さま、編集の労をとっていただいた与儀さん、どうもお世話になりました。日記の枠を越えてずいぶん個人的なことまでさらしてしまい、きっと振り返ったら赤面ものだと思います。
今後もネット上のあちこちにしょーもないことを書き込み続けていくと思いますので、お目にふれたときは笑ってやってください。
それでは、今後もどうかお元気にそれぞれの日常を。ライフ・ゴーズ・オン。
(埼玉県 塩こーじ)